山九(中村公大社長)は7月13日、大規模プラントの建設・輸送に関する機材不足に対応するため、超重量物輸送特殊車両「ユニットドーリ」の最新モデルと大型クローラークレーン最新鋭機を国内で初めて導入した、と発表した。
「ユニットドーリ」はドイツ・ショエル社製で、今回導入された最新モデル(写真)は、1軸あたりの最大積載量が60トンと、従来の40トンに比べ50%の能力向上を実現した。一部タイプの車両は、縦方向に2分割できるスプリットタイプで、 積載する物のサイズや形状によっては、これまで左右 2台編成を要していた輸送作業が、1台ないし1.5台で行うことが可能となる。山九は「ユニットドーリ」を1979年に日本で初めて導入して以来、国内のプラント設備輸送で活用している。
また大型クローラークレーンはドイツ・リープヘル社製で、800トン級の吊上げ能力を有する最新鋭の国産第1号機となる。800トン級としてはコンパクトな車体ながら、このクラスでは最長となるロングブームを有しており、特に100 メートル以上の吊上げ高や大きな作業半径を必要とする大規模プラント建設などの作業での活用を予定する。
日本や海外における建設ラッシュに伴い、人材不足と同様に大型クレーンなどの機材不足が問題化している。そうした中で山九グループは、中期経営計画の重点取組のひとつとして戦略機材の導入を進めており、今回の国内導入により、コスト・ 作業効率の両面で、より効果的な提案が出来るようになるとしている。
超重量物輸送特殊車両 「ユニットドーリ」
ショエル社製
※写真はスプリット(分割)タイプ
現在、世界中の3000トン以上の重量物の70%、5000トン以上の重量物の90%がショエル社のユニットドーリで輸送されている。
大型クローラークレーン
リープヘル社製
型式:LR1750-HS800
最大吊上げ荷重:公称性能750トン
(ブーム・ジブの構成によって異なる)
最高吊上げ高さ:約 190m
旋回最少作業半径:7m
(360度旋回時間1.5分)
最高走行速度:1.65km/h
カウンターウエイト:最大245トン
ワゴン用ウエイト:最大400トン
(ワゴン旋回半径13m-20m)