福岡市港湾空港局/博多港振興協会は8月29日、ホテルオークラ別館に在京の荷主/船社/物流事業者ら約600名を集め盛夏恒例の「博多港振興セミナー」を開催した。
自らプレゼンテーションを行った高島宗一郎・福岡市長(写真)は、高い人口増加率や東京に次いで多いMICE(国際会議、展示会、スポーツ・イベントなど)の開催数による交流人口の増加、日本一の外航クルーズ客船寄港数によるインバウンド需要増といった活気あふれる福岡市の市勢に触れたのち、中国やアジアを中心に充実した航路網を有する博多港に関する施策や取り組みに、約20分の熱弁を振るった。
施設面に関しては、昨2015年に約15年ぶりに改訂した港湾計画で2025年の国際コンテナ取扱個数を130万TEUに設定したことを踏まえ、「アイランドシティコンテナターミナル(ICCT)のC2バースの後背地ヤードの奥行350mから500mへの拡張が2016年度中に完成するほか、ICCTの3面目となる新バース(延長350m)の整備に向けて着実に歩みを進めている」ことを説明した。
またICCT後背地には、「福岡市の新たな青果物市場である“ベジフルスタジアム”が2016年2月に開場した。国内最大級のコールドチェーンを保持する青果市場には、九州はじめ西日本各地から新鮮な青果物が集約しており、品質を保持したまま隣接するCTから輸出ができる。これまで食料は輸入の話題ばかりだったが、農産品輸出が博多港の起爆剤になる」と自信をのぞかせた。
独自の港湾情報システム“HiTS”にも触れ、「ゲートインからコンテナ搬出までがわずか15分」という迅速性を力説した上で、「“HiTS”の中国・アジア各港とのシステム接続を積極的に進めている。貨物トレースのため海外へ問い合わせていた情報が、HiTS日本語版で見える化している」とアピールした。
また、福岡市が2015年度から博多港への利用切り替えへのインセンティブ制度として実施している“博多港コンテナ物流トライアル実証調査”にも触れ、「関東の工場で製造された台湾向け精密機械の出荷を、国内・国際のRoRo船を組み合わせた博多港起点の輸送に切り替えたことで、大幅なコスト削減と貨物ダメージの解消にもつながった」などのトライアル事例を紹介して利用を呼びかけた。
このトライアル実証調査は、新たに博多港を組み込んだ物流ルートを構築した事業者に対し、ひとつの事業あたり100万円を上限にトライアル費用を負担する制度。博多港を利用した輸送のメリットを肌で実感してもらい、港勢拡大につなげる考えで、今年度は対象事業を昨年度の6事業から15事業に拡大している。