TOPページ
JAFSA;セミナーで飯垣会長が“外航定航業界の変遷と今後の展望”を講演
 次の記事:(7/28) T.S.の新造1800TEU型の第1船が命名
 前の記事:(7/26) 川崎汽船が傘下の重量物船社SALの全出資持分を独のSALTO Holdingに譲渡

JAFSA;セミナーで飯垣会長が“外航定航業界の変遷と今後の展望”を講演

 外航船舶代理店業協会(JAFSA)は7月26日、都内のホテルで第25回セミナーと夏季懇親会を開催した。

 “外航定航業界の変遷と今後の展望”と題したセミナーは、同協会の飯垣隆三会長(ベン・ライン・エージェンシーズ・ジャパン会長、写真)が、自身の業界での半世紀以上のビジネス・キャリアから得た見識をもとに講演した。

 飯垣氏は、「50年前は儲かる業界だったが、ここ5〜6年はどうやっても儲からなくなった」として、定航業界の半世紀にわたる、次のような歴史の変遷をデータを示しながら解説した。

・1975年のコンテナ船業界では、Sea-Landが52隻を運航する圧倒的なトップ船社であったのに対し、今や巨大なMaerskは1800TEUクラスのコンテナ船を1隻だけ運航する船社にすぎなかった。

・かつて欧州航路には多数の老舗船社が存在したが、M&Aなどによる淘汰で現在、残っているのはMaerskとHapag-Lloydだけである。

・代わって1990年代後半から新興勢力として、カリスマ経営者による独自の経営理念でMSCやCMA CGMが台頭してきて、現在に至っている。

・2005年頃からのコンテナ船大型化による船腹量の急拡大が、今の厳しい経営環境の背景にある。

 こうした激変を説明したうえで、あくまで私見と断りながら、(1)将来はコンテナ使用料のような形で、コンテナ関連コストを荷主にも負担してもらってもいいのではないか、(2)定航業界から欧米(アングロサクソン)船社が撤退していったのは、彼らは儲かる業界を見極めることに優れているからで、その証拠に現在では世界の金融/IT/AIなどの業界を牛耳っている、との説を披瀝した。展望については、3大アライアンスが80%のシェアを持つことで、運賃は安定化するだろうが、なお競争は残るため多大な上昇は望めないとした。

Last Update : 2017/07/28