福岡市港湾空港局/博多港振興協会は8月29日、都内のホテルで恒例の東京セミナーを開催した。
高島宗一郎・福岡市長(写真)はプレゼンテーションで「成長著しいアジア諸国に至近の博多港は、そうした地の利に加えて、半径5km圏内に港湾・空港・鉄道などあらゆる輸送モード拠点が集積していることも強みに、“アジアのゲートウエー”として発展を続けている。外貿航路は全37航路・月間198便と豊富。昨16年のコンテナ取扱量は約90万TEUで、過去最高を記録した2014年の約91万TEUに次ぐ結果となったが、ことしもこれに迫る勢いで推移している」と説明した。
続いて博多港利用のメリットについて実例を基に、「ある関東に拠点を置く食品メーカーの場合では、台湾向け輸送にあたり、中国地方へ拠点を移設、さらに台湾に近い博多港を利用したことで、リードタイムを3日短縮できた。このほか、港湾情報システム“HiTS”の活用による“ゲートインからコンテナ搬出まで平均15分”という迅速性も、港湾〜倉庫間の陸上部分をはじめ輸送の定時性向上に貢献しており好評だ」とアピールした。
また、「近年、中国での人件費上昇による生産コスト増加を受けて相対的に日本国内の生産コストが低下してきており、海外生産よりも付加価値の高い“メードインジャパン”にシフトする傾向が出てきている。これにより今後、活発化が予想される日本製品の中国向け輸送に、博多港のさらなる活路があるとみている」と展望した。
なおHiTSについて、「これまで海外11港と接続して物流可視化のネットワークを拡充してきたが、このほど上海との連携を開始した。同港と接続する港湾は博多港が世界初となり、博多港からの中国向け貨物の3分の2が可視化されることとなる」と紹介した。