日本通運は8月24日、キヤノン・マーケティングジャパン(株)と(株)プロドーンの3社共同で、倉庫内での在庫管理や物流施設警備のドローン活用に関する実験を日通最大級の物流施設であるTokyo C-NEX(東京都江東区)内で実施した(写真)。日通が9月7日に発表した。
今回の実験は、倉庫・物流施設等の非GPS環境下にある物流現場でのドローンの積極的な活用を検討していくため、最新型のドローンを使用して、現状の技術レベルの検証と実用化に向けた課題を確認することを目的としている。実験内容は、倉庫に見立てたセットによる半自律飛行実験や飛行しながらのカメレオンコード読み取りのほか、超高感度多目的カメラによる警備を想定した撮影など。
非GPS環境下でも飛行高度や貨物からの距離を一定に保っての半自律飛行が可能であり、ドローンに搭載したカメラでの一部カメレオンコードの読み取りや、照明を落とした施設内での対象物の認識ができる等、一定の成果があげられたという。
今回の実証実験の結果を踏まえて、ドローンの前後方向への移動も自律飛行する完全自律飛行の実現のほか、カメレオンコード等の読み取り精度の向上に向けたカメラやドローンの技術開発が、課題になるとしている。
日通は今後、ロジスティクス・エンジニアリング研究・開発の一環として関係各社と協力し、ドローンが持つ「飛ぶ」という機能を基本に、「運ぶ」「見る」「探る」「調べる」「監視する」などの特性も生かした多方面での活用を検討していく。