ニュージーランド(NZ)は、輸入中古車に対する輸出国側での害虫処理を9月1日から義務化する。ことし2月に同国向けの自動車船からカメムシが大量に見つかったことによる措置で、対象期間は2018年9月1日〜19年4月30日。
NZ当局は殺虫処理の選択肢を複数、提示していたなか、日本では中古車の検査機関による熱処理(ヒートトリートメント)が行われることとなった。
現在、日本国内で4つの中古車検査機関が国内各港で熱処理装置の設置を進めている。熱処理方法については、3t以下の車両の場合、コンテナ型の装置に車両を入れて熱風を送り込むのが一般的で、60℃以上で10分間の処理が義務付けられている。
作業時間は車両のクールダウンを含め1台につき40分〜1時間程度と熱処理に時間がかかるため、従来よりも車両の港湾搬入が前倒しされるほか、熱処理前後の車両を蔵置するヤードがキャパシティを超える可能性もあるため、中古車輸送に大きな影響が出てくる見通しだ。
また、NZ向けの船内に豪州やフィジーなどNZ以外の近隣諸国向けの車両を積んだ場合にも、同様の処理が必要となる。NZは日本からの中古車輸出でアラブ首長国連邦(UAE)に次いで2番目に輸送量が多いが、関係者の間では、9月以降NZ向けの中古車輸出量が大幅に減少すると懸念されている。