Maersk LineとIBMはこのほど、2社共同で開発した世界の貿易にブロックチェーン(分散型台帳、BC)技術を活用するオープン・プラットフォーム“TradeLens”を発表した。
TradeLensでは、IBMのBC技術を基盤に、貿易関係者が各々にプライバシー、機密性を損なうことなく、貿易手続きに関わる情報を共有できるもの。従来、サプライチェーン業界で一般的に使用されている情報共有システムEDI(Electronic Data Interchange)と比較して、広範かつ柔軟で、リアルタイムな情報共有が可能になるとされる。
Maersk/IBMは2016年から、BC技術を貿易手続きの電子化・簡素化に活用するための実証実験を行ってきており、今18年1月には合弁会社を設立していた。過去1年のトライアルを経て今回、TradeLensのシステムを公開、18年末の実運用開始を予定しているもの。
TradeLensにはすでに20社以上の港湾・ターミナルオペレータが参加しており、それらの世界234拠点で運用される計画。
また船社からはMaersk/Hamburg Sued/PILが、フォワーダー・陸送業界からはAgility/CEVA Logistics/DAMCO/Kotah/PLH Trucking Company/Ancotrans/WorldWide Allianceなどが参加する。
このほか、オランダ/サウジアラビア/シンガポール/オーストラリア/ペルーの税関当局および、通関業者Ransa and Guler & Dinamikが参加している。