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MSC Japan:18年は日本発輸出が30%増、19年はアジア航路集荷に注力へ
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MSC Japan:18年は日本発輸出が30%増、19年はアジア航路集荷に注力へ

 Mediterranean Shipping Co.(MSC)の日本法人MSC Japanの甲斐督英社長と嵩原伊都子・最高執行責任者は1月17日、都内で海事メディア記者団との会見を行い、昨年の貨物実績や、2019年の取り組みなどを語った。

 甲斐社長は昨18年の日本発着の貨物実績について、「輸出が30%増、輸入が20%増と、とても良い年だった」と振り返る。「中でも北米向けについては、日本市場シェアで第2位(6%)となり、特に東岸向けが大きく取り扱いを増やした」としている。

 さらに欧州航路でも「日本発着シェアは北欧州向けが15%、地中海が16%、トルコを含む東地中海が28%のシェアを達成した」とのこと。

 昨18年には、日本発着貨物を東西遠洋航路母船に接続させる日本専用フィーダー“ORIGAMI EXPRESS”を大幅に改編し、MSC Japanとして初となる日本〜東南アジア航路に本格参入した。

 従来、寧波を積み替え港としていたが、中国港での混雑慢性化を受けて、改編後は積み替え港を寧波から釜山/Singapore/Tanjung Pelepasに変更して、サービスの安定化を図った。

 「ORIGAMIのサービス変更が昨18年6月。ちょうど同時期に中国の24時間ルールが施行されたこともあり、タイミングが良かった」としたうえで、「フィーダー改編も貨物取扱量を増加させたひとつの要因」と分析する。

 加えて、ORIGAMI改編と同時に開設した、大阪/神戸/博多と釜山を結ぶ日本専用フィーダー“KAGUYA EXPRESS”も好評で、阪神発着の取扱量も4%ほどアップしたという。

 MSC Japanは今年2月に日本法人設立20周年を迎える。「昨年、東西航路ではやれることはやった。その一方でアジア航路は契約期間中にサービスを開始したので、入札には参加できなかった。アジア航路は伸びしろがあるので、今年は同航路の集荷に本腰を入れていく。19年のスローガンである“縦横無尽”の通り、東西に加え、アジアや南北航路も網羅していきたい」と語った。

 また、今年のマーケットについては、「海上コンテナ荷動きは、5〜6%増加するだろう。船腹供給量は2.5%増にとどまり、海上運賃は上がる」と見込む。さらに今期の運賃交渉の大きな争点となっている2020年からのSOx規制対応については、「コスト増に見合った値上げは必要。運賃とは別立てで新BAFを徴収する」との方針を示した。

Last Updated : 2019/01/25