Hoegh Autolinersはこのほど、2020年1月から始まる船舶の硫黄酸化物(SOx)排出規制強化への対応について、スクラバーを使用せず、低硫黄燃料油または低硫黄マリンガスオイルを使用する意向を表明した。
同社のIvar Myklebust・CEO(写真)は、今回の決定の背景について大要、下記の通り説明している。
▽SOx規制の大義は、その排出量を減らすこと。スクラバーは確かに大気へのSOx排出量を削減するが、
排出したSOxを海に移動させるだけとも考えられる。
▽スクラバーを採用した場合、二酸化炭素(CO2)の排出量が増える可能性もある。
スクラバーの搭載によって船舶の重量や、システムの洗浄に必要なエネルギーが増え、
結果的により多くの燃料を使用することになるためだ。
また、(自社フリートである)自動車船へのスクラバー設置は構造上も理想的でない。
14のデッキ、エンジンルームから船全体を通って煙突に至る構造に、
スクラバーを設置するのは難しい。
▽上海やシンガポールなど、スクラバー排水の規制区域(SECA)を設けるポートは
今後、増えていく可能性がある。
現状でも、そうした地域でHoeghの各船が年間60〜70日間滞在することを考慮すると、
スクラバーへの投資には意義がない。
