日本郵船(NYK)/商船三井(MOL)/川崎汽船(KL)の邦船3社は4月26日、2019年3月期(18年4月1日〜19年3月31日)の連結決算を発表した。売上高と経常損益は表のとおり(▲はマイナス)。
NYKは経常損失が21億円で、18年3月期の280億円の黒字から赤字に転落。不定期専用船や物流部門が回復を見せた一方、3社がコンテナ船事業を統合したOcean Network Express(ONE)、日本貨物航空(NCA)の業績不振による損失が、連結の業績を大幅に悪化させた。
MOLは3社で唯一黒字。売上高は25.3%減だったものの、営業利益が66.3%増の377億円、経常利益が22.6%増の386億円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は269億円で、前期の474億円の赤字から大幅に回復して黒字転換を果たしている。
ONEの業績不振はあったものの、ドライバルク船事業は経常利益で前期比42.2%増の219億円、エネルギー輸送事業が同55.0%増の211億円となり、業績向上に大きく貢献した。
一方、KLは経常利益が489億円の赤字となり、前期の20億円の黒字から509億円減額となった。親会社株主に帰属する当期純利益は1113億円の赤字で、前期の104億円の黒字から大幅に悪化した。
同社では19年3月期に高コスト船の用船契約の解約費用として519億円の特別損失を計上したことが業績悪化の大きな要因となったが、高コスト船を整理したことによる構造改革効果が今後、見込めるとしている。
なお、2020年3月期の業績予想は経常利益ベースで3社とも黒字を見込んでおり、NYK:370億円/MOL:500億円/KL:50億円としている。
この3社の予想の要因のひとつには、ONEの業績が回復するとの分析がある。ONEの初年度決算は税引後損益で5億8600万ドルの赤字となり、3社の連結決算の足を引っ張ったが、20年3月期は8500万ドルの黒字が見込まれている。
