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FESCO;シベリア鉄道による欧州向け“早道”をA. Isurin社長がセミナーでPR
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FESCO;シベリア鉄道による欧州向け“早道”をA. Isurin社長がセミナーでPR

 ロシアFESCO TransportグループのAlexander Isurin社長をはじめとする一行が来日、5月20日に東京赤坂のホテルで、極東ロシア航路とシベリア鉄道(TSR)で、日本とロシアおよび欧州をつなぐ“早道(Hayamichi)”サービスのセミナーを行った。写真はセミナー後の懇親会でIsurin社長(右から2人目)と小林茂雄TRAJ社長(右端)およびFESCO首脳。

 セミナーではFESCOの日本総代理店トランスロシアエージェンシージャパン(TRAJ)の小林茂雄社長の開会あいさつに続いて、駐日ロシア公使や在日ロシア連邦通商代表部幹部がスピーチした。本題のセミナーはIsurin社長自ら説明を行った。

 まず、“早道”について、日本〜極東ロシア航路でVladivostokをゲートウエーとして、TSRによりロシアや欧州の各都市へ一貫輸送するシー&レールの改良型サービスであることを説明した。

 Isurin社長は、「船舶運航のみならず、総合物流企業に成長したFESCOが、アジアと欧州を結ぶ安定した高速サービスを提供する」とした。

 以前は富山〜Moscowで平均23日かかっていたが、これを16日に短縮し、現在は14日以内を目指しているという。日本の主要港から欧州向けでも20日を目標に掲げている。日本〜欧州航路の海上輸送では最終仕向け地まで50〜60日かかるから、リードタイムでの優位は揺るがない。

 劇的な短縮は、以前Vladivostokでの通関に1週間以上を要していたところを、システム改善で2〜3日に短縮できたことによるという。

 そのほか、極東ロシア航路のウイークリー化で日本からVladivostokまでの所要日数も短縮している。「海上航路は6月末までに投入船を大型化する」とIsurin社長はさらなる強化策も明かした。

 競合する中国鉄道による欧州向け輸送では、中国と中央アジア鉄道との接続に1週間ほどかかるという。その後、結局TSRを利用するのだから、Vladivostokで最初からTSRルートにした方が、国境での手続きや積み替えが少ないと指摘する。

 「運賃は、欧州大西洋岸向けでは海上輸送の方が安いかもしれないが、中東欧の内陸向けでは“早道”は競争力がある。同サービスにより、今後2〜3年で日本発・欧州向けの10〜20%のシェアを獲得したい」とIsurin社長は抱負を語った。

Last Updated : 2019/05/24