豊田通商は5月30日、100%子会社の豊通物流と、RFID(Radio Frequency Identification)タグを活用した入出庫・棚卸システムの試験導入を開始したと発表した。
日本国内で自動車部品物流を行う豊通物流・第2三好センター(愛知県みよし市)で4月から開始。また、海外の各物流拠点との連携を視野に、インドネシアの物流拠点 PT. TOYOTA TSUSHO LOGISTIC CENTERでも、RFID導入プロジェクトを立ち上げた。
一般的に、自動車部品は材質・形状が多岐にわたり、特に金属製品が多いため、電波を利用したRFIDの利用は、電波の乱反射や金属による電波干渉により、RFIDの読取精度が低くなるなどの課題があった。
豊田通商では、RFID導入に際して2年間検証を行い、入出庫時のRFIDタグ読み取りシステムと、AGV(Automatic Guided Vehicle/無人搬送車)とRFID読取装置が一体となった“棚卸用AGVシステム”を製作・試験導入した。同システムは、倉庫への部品搬入時に各梱包箱にRFIDタグを貼付し、作業工程ごとに入庫予定リスト、在庫リスト、出荷予定リストとRFIDタグの読取結果の照合を行うことで、作業の効率化と精度向上を図る。
特に棚卸業務においては、これまで倉庫棚の高い位置に保管されている商品の実査棚卸は、フォークリフトなどで床面に降ろして棚卸を実施し、再度、棚に戻すといった作業が必要だったが、“棚卸用AGVシステム”により、高さ6mの倉庫棚にあるタグまで自動で読み取ることができる。そのため在庫品を床面に降ろさずに棚卸作業を完了でき、作業の効率化が可能になるとしている。
豊田通商では、インドネシア物流拠点でのプロジェクト開始を皮切りに、今後複数の海外物流拠点でRFID導入プロジェクトを立ち上げる予定で、グローバル展開における課題や改善点を実作業を通して洗い出し、本格導入に向けた検証を行う。