IATA(国際航空運送協会)は8月15日、世界のリチウム電池製造業者団体(PRBA)やフォワーダー団体・国際航空貨物協会(TIACA)、荷主団体グローバル・シッピング・フォーラム(GSF)などとの連名によって、各国政府に対し「不良リチウム電池の製造と空輸に関して厳しい規則と罰則の適用を望む」との声明を発表した。
リチウム電池の高空における機内発火が原因とみられる航空機事故が世界で相次いだことから、現在IATAでも、その危険物規則改訂の最大の焦点が、「リチウム電池の航空機搭載上の取り扱い」となっているところ。
IATAによると、世界では一部の製造業者によって、国連の所定の試験を受けないまま製造された危険なリチウムイオン電池・リチウム金属電池が、いまだに市場に出回っており、しかもIATA危険物規則を無視した輸送方法で空輸する違反物流業者があとを絶たず、その結果、航空機および乗客の生命が危険にさらされているとしている。
不良リチウム電池の生産と空輸を防ぐには、各国政府当局が各国の電池製造業者に対して、より厳格な規則・製造基準を導入し、違反に対してはより厳しい罰則を適用するべきである、とIATAは主張した。
また、もし現状の危険な状況が続くようであれば、航空会社としては一方的にあらゆるリチウム電池の航空機への搭載を例外なく禁止するしかないとしており、そうなった場合、グローバル・サプライ・チェーンにも重大な支障を招くであろうと指摘した。
特に、リチウム電池で動く救急・救命医療機器などの運用にも(海上輸送への切り替えによる輸送の遅れによって)障害が起こる可能性があるとした。
また、航空機への搭載が完全禁止となった場合、商品ラベルを偽ってリチウム電池を輸送する悪質業者も出てきかねないとして、航空機/乗客の潜在的な危険性が高まることも懸念している。