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国交省:新型航空保冷コンテナの試作品を公開
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国交省:新型航空保冷コンテナの試作品を公開

 国土交通省は3月6日、ヤマト運輸の羽田クロノゲートで新型航空保冷コンテナ(試作品)を公開した。

 この新型コンテナは国交省の“交通運輸技術開発推進制度”の対象事業として、保冷技術を持つ東プレ/トプレックとヤマト運輸に委託して、ドライアイスを使用しないで済む、蓄冷剤搭載タイプとして開発を進めているもの。日本からの農水産品輸出での利用を想定している。

 現在、運用されている航空保冷コンテナには、充電池を電源とする冷却/加温装置を搭載している電気式と、ドライアイス(80kg程度)で冷却するタイプがあり、両タイプともファンで冷気を庫内に送風して温度管理する。

 電気式は輸送ごとに高額なリース料がかかり、ドライアイス式は庫内温度にブレが生じやすく過冷却の傾向があるとされている。

 新たに開発されたコンテナは貨物スペースに蓄冷剤を搭載し、庫内の空気を自然対流させる方式で、コンテナには蓄冷剤(常設機材)を地上電源で冷却する装置を搭載している。

 新機材は庫内温度を一定に保つことで、輸送が難しいとされる葉物野菜や食肉などの輸送需要に対応することが期待される。また、航空輸送においてドライアイス使用が規制強化される状況に対応し、輸送時に電源を使わないなど、運用コスト面でもメリットが大きいとされる。

 今回、公開されたLD-3サイズのコンテナは、既存のドライアイス式コンテナとともに3月6〜8日の日程で、羽田空港〜那覇空港〜香港国際空港間で往復運用され、同じ輸送条件下で両コンテナの温度データを収集し、保冷性能を比較する試験輸送が実施される。

 今後、実証試験などをもとにさらに改良を行い、国際認証の取得により2019年からの商用化を目指している。写真右が公開された新型航空保冷コンテナで、左は従来型。

Last Update : 2018/03/07