IATA(国際航空運送協会)が11月4日に発表した2020年9月の航空貨物の輸送実績は、CTK(有償トンキロ)が前年同月比8.0%減となった。8月の同12.1%減から、9月は減少幅が1桁に改善している。
一方、国際旅客便の減便に伴うベリーキャパ減が続いているため、供給キャパの指標であるACTK(有効トンキロ)が、9月は前年同月比25.4%減となった。需要(CTK)の8.0%減に対して、供給(ACTK)が25.4%減で縮小規模が3倍以上となり、供給キャパが大幅に不足していることを示している。
地域別のCTKでは北米が前年同月比8.6%増、アフリカが8.2%増とプラスだったのに対して、アジア太平洋/欧州/ラテンアメリカ/中東は依然マイナスのままとなっている。
また、貨物ロードファクター(CLF)は10.6%増となり、前年同月を上回った。旅客便のベリースペース減少による供給減が、貨物需要の減少を上回った結果、CLFが上昇した。
IATAのAlexandre de Juniac事務総長兼CEOは、「航空貨物需要は前年比92%が存続しているのに対して、旅客需要は90%消滅してしまっている。9月は北米とアフリカ市場で需要が前年同月を上回る実績となっており、このまま供給不足が続くと、航空貨物において多くの輸送機会が失われることになる」とコメントしている。
20年9月のCTKとACTK、CLF(ロードファクター)の伸び率、およびCLFは次のとおり(▲はマイナス)。
CTK ACTK CLF前年比 CLF
アフリカ ______8.2% __ ▲28.1% ___17.0% ___50.7%
アジア太平洋___▲15.9% __▲29.5% ___10.4% ___64.2%
欧州_______▲15.4% __▲31.8% ___12.0% ___62.0%
ラテンアメリカ__▲22.5% __▲36.5% ___ 8.2% ___ 45.6%
中東 _______ ▲2.6% __▲23.6% ___12.5% ___57.9%
北米 ________ 8.6% __▲15.0% ___10.5% ___48.4%
市場総計 _____ ▲8.0% __▲25.4% ___10.6% ___54.9%