CMA CGMグループは8月24日、地球環境や生物の多様性を保護するため、北極海航路を使用しない方針を明らかにした。Rodolphe Saade・会長兼CEOは「当グループの500隻は北極海航路を使用しない」とコメントしている。
北極海航路は近年、地球温暖化の影響により、利用実績が増えている。北極圏は生物多様性に富み、海流と地球規模の気候パターンの調節に不可欠な役割を果たしている。
CMAでは、「北極海航路を使用することで、船舶の事故や油による汚染で多くの海洋生物だけでなく、北極圏の自然生態系を危険にさらすことになる」としており、環境と地球の生物多様性を保護するための決断だという。
またCMAでは、環境負荷低減に向けて、「将来の燃料としてLNG燃料を優先する」(R.Saade・会長兼CEO)との見解を示している。
同社はLNG燃料推進システムを搭載した2万3000TEU型船9隻を発注済みで、2020年前半にも竣工する予定だが、2022年までに同グループでLNG燃料推進船を20隻体制とする計画。
このほかCMAは、LNG燃料以外の長期的なエネルギーソリューションとして、水素燃料の開発に向けて研究を進めている。