パナマ運河庁(ACP)は9月6日付けで、2020年1月1日に実施を予定していた通航料金改定に関し、主な改定の実施時期を20年4月1日に延期のうえ、一部船種(新閘門通航のネオパナマックス型の自動車船・RoRo船)に関する値上げ幅を自動車船:15%、RoRo船:12%に圧縮することなどを最終決定した。
これに対する日本船主協会(JSA)のコメントは以下の通り。
◾日本船主協会(JSA)としては、ACPおよびパナマ政府がIMOのSOx規制強化(2020年1月)との同時施行を再考し、20年4月施行としたことは、結果として10ヵ月前予告の実現であり評価したい。
◾また、新閘門を通航するネオパナマックス型の自動車船・RoRo船の値上げ幅の圧縮についても、圧縮幅は2%と小さいものの前向きに評価したい。
◾一方でドライバルク、タンカー、LPG/LNG船の値上げについて、おおむね5〜15%の値上げが原案通り実施されることは遺憾である。
◾運河を国の資産として通航料収入の国庫への貢献最大化を図りたいとするACPと、運河は世界貿易を支える国際社会の重要なインフラとして長期安定的な料金を志向するJSAの立ち位置に、相違があることは否めない。
◾JSAとACPはこれまで10年以上にわたり、おおむね年1回以上の対話を維持しており、特に2017年11月以降はこれを正式な定期対話と位置付け、国土交通省の参加も得て年1回以上の対話を重ねている。
今後もこうした対話を通じ、通航料金問題をはじめ運河運営・船舶通峡双方の効率化や安全問題など幅広い問題に関しACPとの相互理解・信頼関係をさらに強固にしていくこととしており、次回対話は9月5日就任したR.Vasquez新長官を迎え、11月に東京で開催する予定としている。