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船協会長会見:「中東地域の安全航行やSOx適合油の供給などに懸念」
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船協会長会見:「中東地域の安全航行やSOx適合油の供給などに懸念」

 日本船主協会(JSA)の内藤忠顕会長(日本郵船会長、写真)は9月25日に定例会見を行い、2020年度税制改正/パナマ運河通航料/中東情勢など、海運界が当面する諸問題について、概要、次のように語った。

 ■2020年3月末をもって期限が到来する、(1)“外航船舶の圧縮記帳”(船舶の代替建造・買換えにあたって、譲渡差益の80%を控除する)と、(2)“国際船舶に係る登録免許税の特例措置”(税率4/1000を3.5/1000に軽減)については、日本海運の国際競争力の観点から是非とも延長を要望する。

 ■パナマ運河の通航料の値上げについては、運河庁が当初の2020年1月1日実施から4月1日に繰り下げ、SOx規制強化の1月1日と実施時期の重複を避けたことは評価できる。また、自動車船/RoRo船の値上げ幅を若干圧縮したことも、海運業界の厳しい経営環境を多少とも考慮した結果と考えたい。

 ■海運の認知度向上では、日本財団の“海と日本プロジェクト”と協調して、7・8月の夏休みシーズンに自動車船の見学会など21件のイベントを開催し、小・中学生を主体に4800名が参加者して好評を博した。

 ■ソマリア沖の海賊問題では、対処行動の実施を政府に積極的に働きかけたが、今回の中東ガルフ・ホルムズ海峡のテロでは、首謀者が不明なこともあって、現在は情報収集に注力している。日本の原油の7割はホルムズ海峡を通過してくるので、たいへん重要な問題であると認識している。

 ■また、サウジの石油プラントに対するテロについては、個人的な所感だが、無人機があれほどの高精度の攻撃能力を持つということは、中東海域を航行する船舶も非常な危険にさらされているわけで、憂慮すべき状況だ。

 ■2020年1月からSOx規制が強化されるが、2億5000万トンが必要とされる規制適合油の供給体制の確立/適合油の品質の安定性/スクラバーの機能に対する信頼性など不透明な点が多く、JSAとしても対処に力を注いでいきたい。

Last Updated : 2019/09/27