スウェーデンのWallenius Marineはこのほど、巨大な帆を備え、風力を推進力とする7000台積み自動車専用船(完成予想図)の開発を発表した。
温室効果ガス(GHG)削減を目的に、さまざまなエコシップが模索される中で、最新の空気力学と造船テクノロジーを駆使した現代版の帆掛け船“オーシャンバード”を建造する。従来の重油を燃料とする船舶に比べ、GHG排出を90%削減できるという。
船は全長200m、全幅40m、排水量3万2000トンで、ウイングセイルと呼ばれる金属と合成素材でできた、大きな5本の帆で風をとらえて航行する。
帆は伸縮式で、最も高く伸ばすと80mになり、海面からの高さは105mに達する。橋の下を通航する時などには、海面から45mの高さまで縮まる。
また、360度回転して、風向きにかかわらず風を効率よく推進力にかえることができるが、入出港時や安全性に考慮して、クリーンエネルギーで動く補助エンジンも搭載するという。
平均速力は10ノットで、大西洋横断に12日間を要する。通常の8日間に比べると、4日延びる。
今秋には全長7mのモデルシップで海上試験を行い、来21年末までの造船所への発注と、2024年の竣工を目指す。
Wallenius Marineはスウェーデン王立工科大学と船舶研究機関SSPAと共同で、同国政府の助成を受けて、2019年からの3ヵ年計画により、この開発プロジェクトを進めている。
同社グループの自動車船運航大手船社Wallenius Wilhelmsenはかねてから、ゼロエミッションに向けた風力推進自動車船の導入に言及しており、“オーシャンバード”実現のあかつきには、運航フリートに加えるとみられる。
