関光汽船の中国・広州から日本への輸入サービス“広東海上特急便”の取り扱い実績が急増している。
昨20年4〜12月はレベニュートンで前年同期比約3.8倍に急伸した。特に11月は約9.3倍、12月は約18.2倍の驚異的な増加となっている。
同サービスは華南の広州から陸上輸送と国際海上フェリーを組み合わせた複合一貫輸送で、中国の積み出し港を太倉と石島の2港とする2ルートを設定している。
それぞれ週2便の計週4便で、ルートは次の通り。
太倉ルート:広州から太倉へトラック輸送し、太倉→下関はグループ会社の蘇州下関フェリーによるダイレクト海上輸送。
石島ルート:広州から石島(山東省)へトラック輸送し、石島から韓国西岸の群山へフェリー輸送、群山から釜山までは韓国内をランドブリッジ輸送して、さらに関釜フェリーで下関まで輸送する。
もともと、国際フェリー利用による複合一貫輸送は、航空輸送より安く、海上コンテナ輸送より速いがコンセプトのサービスだ。
昨年来、国際物流は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、航空輸送が旅客便の激減で貨物キャパが減少しているうえ、海上コンテナ輸送も需給逼迫/コンテナ不足/運賃高騰の状況にある。そのため、比較的スペースが確保しやすく、運賃も安定しているフェリー利用サービスへの輸送シフトが進んでいるようだ。
扱い品目としては従来からの自動車部品に加え、白物家電/金型/機械部品/ゲーム関連品などの輸送実績が伸びているという。
写真は蘇州下関フェリーのRoRoフェリーUtopia(1万6000総トン/コンテナ積載能力150TEU)。
