三井倉庫ホールディングス(以下、三井倉庫HD)は7月29日、再生医療領域において“GCTPに準拠した高品質な極低温管理の保管・輸送ワンパッケージサービス(以下、極低温ワンパッケージSv.)”の提供を8月から開始すると発表した。
GCTPは、Good gene, Cellular, and Tissue-based products Manufacturing Practiceの略で、再生医療等製品の製造管理および品質管理の基準のこと。厚生労働省の省令にその基準が示されている。
また、三井倉庫HDは本21年1月には、海外工場で製造し輸入される再生医療等製品を取り扱うために必要となる“再生医療等製品製造業許可”について、東京都から物流事業者としては初めて許可(包装/表示/保管区分)を取得している。
それ以前の2019年1月から同社は、iPS細胞を含む臨床研究検体等を取り扱う先端医療分野の研究機関向けに、関西P&Mセンター(神戸市)で“極低温ワンパッケージSv.”の提供を開始している。
さらに20年9月にはグローバルな大手製薬企業と“再生医療等製品”の国内物流に関する基本契約を締結した。これに伴い自社の高機能施設(東京都江東区)に専用のスペースを確保して、次のような体制整備を進めてきた。
(1)極低温での保管管理に必要となる液体窒素タンク等設備の設置。
(2)保管から輸配送までシームレスな温度管理トレーサビリティーの実現。
(3)保管から輸配送までの各作業工程で、製品個体を確認する検品システムの導入。
(4)品質管理を担保する人員(製造管理者/品質部門責任者/製造部門責任者)の配置。
こうしたノウハウ・実績と許可の取得をベースに、8月から広く“極低温ワンパッケージSv.”の提供を開始する。