米国の家具大手MCS Industries(ペンシルべニア州)はこのほど、コンテナ船社のCoscoとMSCが米海事法に違反した行為により、同社に60万ドル相当の損害を与えたとして、FMC(米連邦海事委員会)に提訴した。
MCSでは両船社は新型コロナによるコンテナ物流の混乱に伴って、同社と締結していたサービスコントラクト(SC)を履行せず、同社にコンテナスペースを提供しなかったとしている。
またMCSでは、「アジア発・米国西岸向けコンテナ運賃は、新型コロナ前の2019年には40'コンテナ当たり2700ドルだったが、足もとでは同1万5000ドルに高騰しており、これは船社が人為的に作り上げた運賃市況である。これにより船社は不当な利益を得ている一方、荷主は当初の契約運賃より高い運賃を支払う不利益を被っている」と主張している。
新型コロナの影響でコンテナ荷動きが急拡大しているうえ、さらに港湾機能の低下により需給が逼迫しているため、コンテナ運賃は異常な高水準に張り付いており、荷主の不満が高まっている。