米大手鉄道会社と全米の鉄道関係労働組合と の賃上げをめぐる交渉で、米鉄道の雇用者側を代表して交渉に臨んでいる全米輸送会社会議委員会(NCCC)は11月21日、米2大鉄道組合の機関車電車工同盟(BLET)と板金・航空・鉄道・運輸組合輸送部門(SMART-TD)が、暫定合意に対する組合員投票を行い、BLETは賛成票が多数を占めたものの、SMART-TDは否決したと発表した。
BLETは賛成53.5%、反対46.5%で暫定協約を承認。一方のSMART-TDは一部が承認したものの、50.87%の労働者が暫定合意案に反対した。
これにより、12労組のうち8労組が批准を可決、BRS(鉄道信号員組合)、BMWED(国際トラック運転手労働組合道路整備員部門)、IBB(ボイラー技士・造船鉄工・鍛造工・助手国際労働組合)、SMART-TD(一部グループが暫定合意を承認)の4労組が否決となっている。
SMART-TDに関しては、12月8日までをストライキを起こせない「現状維持」期間として、NCCCと交渉を継続することとなった。
SMART-TDのストライキが可能になるのは12月9日だが、BRS、BMWEDは同5日と組合によって日付が異なるため、BRS、BMWEDは足並みを揃えて8日まで交渉期間を延長する可能性もある。
米鉄道業界では、2020年1月から貨物鉄道会社と従業員の労働組合の間で、賃上げや労働条件の改善を巡る労使交渉が続けられていて、ことし9月15日、Biden政権が間に立つ形で、労使交渉に参加する全組合と鉄道会社との間で暫定合意に達していた。それ以降、各組合における暫定合意の承認手続きが行われている。
米国鉄道協会(AAR)は、労使双方が合意に至らず、ストライキに突入して鉄道サービスが停止した場合、米国経済に1日当たり20億ドル以上の追加コストをもたらす、と警告している。
SMART-TDは11月21日付けの発表で、「今回の問題はストライキを行わず、交渉によって解決することができる。和解は労働者、鉄道会社、荷主、ならびに米国国民にとって最善の利益となる」と述べ、ストライキなどに発展することなく労使交渉によって解決する重要性を強調した。