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米国西岸港で再び労働争議ぼっ発、賃金交渉巡り労使関係悪化か
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米国西岸港で再び労働争議ぼっ発、賃金交渉巡り労使関係悪化か

 米国西岸港湾では5月末から賃金交渉をめぐって労使関係が悪化し、西岸を管轄する労働組合であるILWU(国際港湾倉庫労働者組合)が6月初旬から実際にターミナルの一部操業を停止、あるいは労働者が出勤しない、作業遅延を行うなどの行為に出たという。

 経営者側のPMA(太平洋海事協会)によれば、「ILWUは横の連携をとってロサンゼルス港とロングビーチ港(LA/LB)の一部、さらにオークランド港、タコマ港、シアトル港、ヒューネメ港でも同様の破壊的な労働行動を展開している」として、「ターミナルの操業に深刻な影響を及ぼしている」とする非難声明を6月5日にツイッターで発表した。

 米国西岸諸港では、港湾労使の労働協約が昨2022年7月1日に失効して以降、PMAとILWUはほぼ1年をかけて交渉を続けてきており、ことし4月に両者は労使交渉の最大の難関だったターミナル荷役の自動化や職域問題などについて暫定合意したのち、賃金に関する交渉を継続していた。ところが、この賃金アップの水準について労使の主張に大きな隔たりが生じて双方の折り合いがつかなかったため、組合側が労働行為に出たものと見られている。ILWU側が通常の賃金上昇ペースの数倍相当の上げ幅を要求しているとされるところから、現時点でどちらかの歩み寄りを期待することはかなり難しいようだ。

 LA/LBのあるサンペドロ湾を管轄するILWU Local 13は6月2日、声明を発表し、「海運会社やターミナルオペレーターは過去2年間に約5100億ドルという天文学的な純利益を計上した。その一方で、港湾労働者は新型コロナ下で記録的な貨物量を処理している。労働者の要求は不自然なものではなく、基本的な要求だ」と主張したうえで、「海運会社とオペレーターに対して不快感を表明するため正当な権利として」、今回の遅延労働行為を実行したとしている。

 6月9日現在、労使交渉の進展も見られず事態解決の糸口がない以上、ターミナルの正常操業への遅延行為は今後も予測されるため、再びサプライチェーンが混乱することを危惧する物流業界や全米小売業界などから早くも「バイデン政権の介入を」と望む声が出ている。

Last Updated : 2023/06/09