定航船社団体の世界海運評議会(WSC)は6月12日、EU加盟国と各国競争当局(NCA)に対し、2024年4月に期限切れを迎える、船社コンソーシアム(船腹共有協定、VSA)による共同配船を認めた欧州委員会(EC)の競争法適用除外(CBER)制度について、その延長を求めるポジションペーパー(意見表明書)をまとめた。
CBERは1995年から開始し、その間に内容の修正も含めて計5回延長され、24年4月25日に現行分が期限切れとなる。
WSCによれば、「コンソーシアムは船社同士が船舶のスペースを共有するための協定で、船社が個別に提供するよりも多くの航路、多くの港湾に効率的なサービスを提供できることに加え、輸送コストやCO2排出量の削減にもつながる」とした。
また、「CBERは、競争や消費者の観点からマイナス面がなく、加盟国を含むさまざまな関係者に多大な利益をもたらす重要な制度で、加盟国経済の接続性や競争力、輸出業者と消費者の利益に貢献すると同時に、気候目標にも寄与する」としたうえで、「EUの多くの貿易相手国でも広く採用されており、廃止となれば定期船サービスや貿易に混乱が生じる可能性がある」と指摘する。
CBERが更新されない場合、船社は新しいコンソーシアムへの参画を控えたり、既存のコンソーシアムから撤退するケースも考えられる。
WSCは「米国、中国、カナダ、日本、豪州などで同等の競争法適用除外があり、最近ではシンガポール、香港、イスラエルでも適用除外の延長を決定、こうした各国の政策的観点からもコンソーシアムの重要性が示されている」と主張した。
パンデミック下の市況高騰や混乱については、「前例のない市場原理によるもので、ECや米連邦海事委員会(FMC)を含む規制当局の間では、船社やコンソーシアムによるものではないということでコンセンサスが得られている」と強調した。
最終的にWSCは「CBERの更新を支援することで、コンソーシアムの継続的な運営を促進することは、加盟国とNCAにとって最大の利益となる」と結論付けている。