欧州委員会(EC)は2024年4月25日に期限を迎える欧州航路の船社コンソーシアムによる共同配船を認めた「競争法適用除外(CBER)制度」について、延長しないことを決定したと、このほど発表した。
ECでは昨22年8月からCBERの見直しをめぐる審査プロセスを進めていた。その結果、ECは「2020年から2023年の期間を通じてCBERの有効性と効率性が低いまたは限定的である」と判断した。
「コンソーシアムは航路への安定供給や船腹の有効利用につながり、結果として消費者(荷主)の利益にも通じる」とコンソーシアムのメリットを認識しつつも、「コンソーシアムがコンプライアンスコスト削減に二次的な役割を果たしたが、中小規模のコンテナ船社が相互に協力しても、大手船社に対抗できる代替サービスを提供することができなくなった」と説明している。
ECは欧州航路船社に対するCBERについて、欧州運賃同盟解散の翌2009年に5年間の期限付きで認可した。それ以来、2014年(5年間)、2020年(4年間)と2回延長されていた。競争法除外認可を受けた共同配船は、EU競争法の逐条チェックなどを免除され、投入する船舶数や船型、便数などを自主管理することが許されている。
一方、欧州の荷主・フォワーダー業界はこれまで、CBERの更新時期に差し掛かるたびに、ECに対して同ルールの撤廃を求めてきた。昨22年10月には、「物流の混乱と運賃高騰は船社の共同配船に起因する」として、ECに再度CBER撤廃を主張する文書を提出したものの、「CBERは安定輸送に必要不可欠」とするコンテナ定航船社側が再び、文書をECに送って激しい論戦を繰り広げた経緯がある。
ECは今回の決定に対し、「コンソーシアムに対するCBERは廃止されるものの、EUの独占禁止法に適合する範囲であれば、船社間の協力が違法になるわけではない」している。これにより、現行コンソーシアムが即廃止となることはないものの、今後、船社間提携の形態が変化する可能性も出てきた。