イスラエルとイスラム組織ハマスの大規模衝突に伴い、同エリアにおける物流への影響が懸念されている。
各船社の発表をまとめると、同国の主要港であるHaifaとAshdodはどちらも通常通りに運営されているが、Ashdodではセキュリティチェック強化と労働力不足により滞船が発生しており、待ち時間が増加しているという。また、危険品に関しては、Haifa、Ashdodの両港が特定の品目に対して制限を行っているところ。
この状況に対し、Evergreenは10月11日付けの発表で、同社のコンテナ船Ever Cozy(1778TEU)がAshdodに寄港できなかったため、同社は制御不能としてForce Majeure(不可抗力)を宣言し、Ashdod向け貨物をHaifaで荷降ろししたと発表している。
このほかMaerskはイスラエル発着の輸送サービス(海上、鉄道、道路、限られた航空)は継続しており、イスラエル国内またはイスラエル向けの貨物を輸送する荷主に対し、多数の救済パッケージを設定する方針を表明している。同様の支援はMSCも導入することを発表している。
また、イスラエル船社ZIMは10月18日、イスラエル発着の貨物予約は引き続き受け付けているとしたが、関連貨物に対し10月12日付けで戦争リスク割増料金を導入している。航路ごとに料率は異なるが、TEU当たり50〜100ドルを課徴する。同社は「イスラエル当局が定める安全ガイドラインに従って、サービスが急遽中断される場合がある。その際は改めて通知する」としている。
イスラエルの港ではすでに運航の遅れが見られており、武力衝突によりコンテナ船が寄港できる港湾が減少し、運航コストがさらに高騰する懸念もある。現時点では、Haifa港に大きな問題はないが、イスラエル軍の動員が始まれば港湾労働者の人員が不足し、Haifa港に次ぐ規模のAshdodが閉鎖される可能性もあるという。
Haifaは東地中海地域のトランジット港として重要で、関係者らはイスラエル向けの貨物だけでなく、同港を経由してレバノンやシリアに向かう海運にも悪影響が及ぶことを警戒している。