日本郵船調査グループはこのほど、“世界のコンテナ輸送と就航状況”2023年度版を発表した。
同調査によると、23年の全世界の荷動き量は、前年比で0.8%減の2億3100万TEUと予測した。
22年下期からことし上期まで前年同月比を下回る荷動きが続いていたが、ことし下期から、北米・欧州航路の荷動きが回復したことに加え、インド・中東、アフリカ、中南米航路で荷動き増加が顕著となったことで、通年では前年比微減の水準まで持ち直すと予想している。
23年10月末時点で見込まれる23年末のコンテナ船供給船腹量は2750万TEUで、前年と比較して7.4%増加した。隻数は5824隻で同214隻増える。
23年末のコンテナ船竣工については、工期の遅れや船種の変更などにより発注残総数(378隻)を下回るものの、2020年以降に発注された本船の竣工が本格化しているため、竣工量は294隻・203万5000TEUと予測した。
また、2024年の竣工量については過去最多の384隻・237万6000TEUとなると予想しており、24年をピークに年間200万TEU超のプラスが2025年まで続く見込みとしている。
一方で、解撤は当初予想よりも進捗しておらず、23年は80隻・14万3000TEUにとどまると予測。南北および域内航路の船腹需要や環境規制対応のための船腹需要があり、解撤量は抑えられている。
ただ、新造船竣工に伴い高齢船の解撤が進む見込みだ。23年8月末時点で、船齢16年以上の船腹量は世界で589万TEUとなり、船腹総数の21.9%にのぼる。これにより24年の解撤量は150隻・65万TEU、25年は180隻・80万TEUと増加すると予想した。
航路別の船腹量は、アジア〜北米が輸送需要の減速により前年比9.8%減となる495万8000TEU、アジア〜欧州は新造船竣工により船腹供給が増えたことで、同5.6%増の609万9000TEUとなった。このほか、アジアから中東・南アジア、中南米、アフリカ向けが荷動き増加により船腹量も増えたとしている。
新造コンテナ船の発注については、23年8月末時点で168隻・158万4000TEUと前年発注隻数(364隻)の約5割の規模にとどまっている。
なお次世代燃料対応のコンテナ船発注累計は23年9月末時点で506隻・590万4000TEUに上る。
そのうち、竣工船の合計は71隻・90万8000TEUと、前年同月末時点より、隻数で34隻増・船腹量で約1.8倍の41万3000TEUと大幅に増加した。
また、次世代燃料船の発注残合計も435隻・499万6000TEUと、船腹総数の18.5%、発注残船腹量の64.1%を占める規模に拡大している。