国土交通省は、横浜川崎国際港湾/阪神国際港湾との連携による初の試みとして、23年9月22日〜12月15日の期間、国際コンテナ戦略港湾(京浜港/阪神港)における積替実証輸送を公募していたが、このほど4件の実証輸送を選定したと発表した。
国交省は同事業の目的について、「コロナ下でのコンテナ物流混乱を踏まえて、今後そうした事態が起きた場合の対策として日本発着の国際基幹航路を維持・拡大し、日本の産業サプライチェーンを強靭化する必要がある」とした上で、「戦略港湾において、国際基幹航路とこれに接続するフィーダー航路の円滑な積み替え機能を確保し、競争力のあるコンテナターミナルの実現に取り組む」こととしている。
今回選定された実証輸送事業は、下記の4件。
(1)事業者:Ocean Network Express(ONE)
実証ルート:インドネシア→横浜→中南米/中南米→横浜→インドネシア
実証の目的:リードタイム、輸送品質の検証 /日本におけるトランシップ手続きなどの確認
(2)事業者:クボタ
実証ルート:Laem Chabang→横浜→Savannah/上海→横浜→Savannah
実証の目的:リードタイム、トレーサビリティの検証/日本からの輸出貨物に、
アジア発・日本経由貨物を加えることで、日本発・北米東岸直航航路の安定化および
太線化の可能性検証
(3)事業者:OOCL
実証ルート:東南アジア→神戸→北米西岸
実証の目的:リードタイム、コストの検証/新たなサービスとしての可能性検証
(4)事業者:本田技研工業/名港海運
実証ルート:Laem Chabang→神戸→Los Angeles
実証の目的:多様なオペレーションの可能性検討/積替輸送のノウハウ獲得および課題検証