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EU税関事前申告制度「ICS2」、海運への適用開始は24年6月に延期
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EU税関事前申告制度「ICS2」、海運への適用開始は24年6月に延期

 EUの欧州委員会(EC)が2021年3月から段階的に適用を開始している輸入貨物の新しい事前申告制度「ICS2」(Import Control System2)について、海運分野への適用開始を当初予定の2024年3月1日から同6月1日に延期していることがこのほど判明した。

 ICS2は、2011年に始まったEUの通称24時間ルール(ICS、輸入貨物の税関申告を貨物到着24時間前までに完了する)を刷新した包括的な輸入審査プログラムで、税関保安プロセスを改善し、貿易の自由な流れを促進するもの。

 ECでは、違法な製品の流入を取り締まり、税関のセキュリティ対応を強化する目的で、タイムリーに精度の高い輸入貨物情報を効率的に入手するとして、「IT、税関リスク管理、貿易業務の観点から既存の制度を全面的に見直した」と説明している。

 従来のICSに換わるかたちで導入されたICS2は、2021年3月1日からの第1段階での対象は航空速達と航空郵便のみ。続く第2段階となる昨23年3月1日からは全部の航空貨物に適用されるようになり、さらに第3段階として本24年3月1日から海運(河川輸送含む)と鉄道、トラックなどすべての輸送分野に適用開始となる予定だった。今回、この最終第3段階のICS2適用開始が6月1日に延期された形となる。

 ICS2は、従来のICSに比べて事前貨物情報のみならず、到着前にセキュリティと安全性のリスク評価のためのデータ提供を含む、より高度な情報申告が求められ、申告責任はキャリアが負うことになっている。そのため、船社への正確な情報提供が荷主側にも求められることになろう。

 適用対象はEU加盟国へ輸入される全貨物、およびEU内を通過する貨物で、第3段階の開始から200日間の移行期間を経て、従来のICSは撤廃となる。

Last Updated : 2024/01/19