商船三井(MOL)は2月15日、オランダの海事スタートアップ企業123Carbon B.V.と構築したプラットフォーム上で、代替燃料を使って創出したGHG(温室効果ガス)排出削減量を取り引き可能な形とする“トークン化”を実現したと発表した。
この取り組みでトークン化したGHG排出削減量は、MOLが戦略的パートナーのメタノール供給企業Methanex Corporationと共同で行うプロジェクトで、Methanexが製造したバイオメタノール燃料を使用して創出したもの。
そのトークンの信頼性・透明性を確保するため、123Carbonにより下記の仕組みが提供され、MOLのプラットフォームに組み込まれる。
(1)GHG排出削減量が正しく算出されているか、ダブルカウントにならないかなどの
観点から第三者機関による検証を経て初めてトークン化を完了する
(2)ブロックチェーンを用いてトークンの取引履歴を管理することで、
プラットフォーム上の取引過程においてもダブルカウントが生じるリスクを排除する
(3)トークンの割り当てを受けた顧客に、プラットフォーム上で当該トークンの起源である
航海情報・削減手法などの詳細を確認可能とさせる
(4)トークン化から顧客への割り当てまでの一連の取り引きについて、
国際的NPOのSmart Freight Centreが公表しているルール
(Market Based Measures Accounting Framework)に準拠している
Smart Freight Centreは、「海運業界を含む運輸部門では“カーボン・インセット”への需要が高まっている。今回このカーボン・インセットの取り組みを、世界最大級の船隊を擁するMOLが開始したことは、海運業界のネットゼロ実現に向けた大きな前進」と述べている。