商船三井(MOL)はこのほど、豪州エネルギー企業Woodside Energyおよび、韓国の造船・エンジニアリング企業HD Korea Shipbuilding and Offshore Engineering(HD KSOE)/船社Hyundai Glovisとの間で、2022年から豪州・韓国の上記3社が進めてきた液化水素輸送の共同検討に参画することについて覚書を締結したと発表した。
水素は、脱炭素社会の実現に向けたクリーンなエネルギーとして注目されている。輸送時には安全・効率の面から液化水素として運搬することが想定されていることから、水素とともに、液化水素の輸送についても将来的な需要の高まりが予想されているところ。
一方で、液化水素の輸送には高い技術力が必要となる。MOLでは今回、「当社の長年の液化天然ガス輸送を通じて得た知見や脱炭素問題への各種取り組みなどが豪韓3社から評価を受け、検討への協力の打診があり、覚書締結に至った」とプロジェクト参画の経緯を説明している。
今回MOLが参画するプロジェクトでは、アジアおよびその他の地域の液化水素サプライチェーンの構築に向けて、タンク容量8万m3型の輸送船を前提に、技術/安全/施工/運用面/経済性について検討、30年までの建造・運航開始を目標としている。ここでの液化水素運搬船は、水素を主な推進燃料とする予定で、運航時に排出されるCO2の大幅削減も狙う。
今後は、Woodsideが水素の製造や積揚地での貯蔵を、HD KSOEが船の設計と建造を、Hyundai GlovisおよびMOLが船の運航面や荷役の検討を、それぞれ担当するとしている。