商船三井(MOL)はこのほど、同社のLR1型プロダクトタンカーNexus Victoria(7万5000D/Wトン級)に、オランダのエンジニアリング企業Value Maritime(以下、VM)製のSOx(硫黄酸化物)スクラバー付き船上CO2回収装置「Filtree System」を搭載する計画を発表した。
MOLによれば、邦人船社が本船上へのCO2回収装置を商用搭載する初の例となる。搭載は今24年末頃の予定としている。
Filtree Systemは排気ガスに含まれるSOxとPM(粒子状物質)の99%をろ過するスクラバー機能と、排気ガス中の最大10%のCO2を回収するCCS機能を備えており、本船上で発生した排気ガスと特殊な溶媒を反応させることでCO2の吸着・回収が可能。
MOLは、「船上回収されたCO2は溶媒の陸揚げ後に加熱分離され、グリーンハウス事業者や合成燃料製造事業者などのエンドユーザーにおいて、有効活用が期待される」としている。