Mediterranean Shipping Co.(MSC)の日本法人MSCジャパンはことし、設立25周年を迎えた。
MSCグループの歴史は1970年にベルギーBrusselsでGianluigi Aponte船長が小さな貨物船Patriciaで会社を設立したことから始まった。
MSCは同グループの貨物部門として、世界経済のグローバル化が進むにつれて、世界のコンテナ輸送のリーダーへと成長、現在は運航総船腹量816隻/583万TEU(24年5月16日現在)と、圧倒的な輸送力を持つトップキャリアに君臨している。
そのMSCが日本に進出したのは1997年。同年8月に豪州航路(Wallaby Service)で日本初寄港を果たしたのを機にWallem Shippingを総代理店に起用して営業を開始した。そして1年半後の1999年2月には、日本〜北米西岸航路(Golden Gate Service)の開設(同年4月)を前に、ジュネーブ本社が100%出資した直営法人MSCジャパン(後潟正則社長)を設立し、日本での直営体制を敷いたのである。
設立当初の対日サービスは豪州と北米西岸の両航路と接続サービスの欧州/地中海、 中東、アフリカ向けのみだったが、その後、順次拡充され、アジア〜南アフリカ航路の開設(02年4月)や北米西岸航路の北米東岸への延伸と中南米サービス開始(02年5月)、さらにはアジア〜南米西岸航路の開設(05年)など徐々にサービスを拡充していった。
そして2010年4月には、ゼネラルマネージャーを務めていた甲斐督英氏が新社長に就任。MSCジャパン発足と同時に入社した甲斐社長は当時39歳と、若い外船トップとして業界から注目された。
同氏は「スタッフ間のコミュニケーションを活発にし、顧客情報や社内の営業・スケジュール情報を共有することが大切。情報共有で一丸となった組織こそ、迅速な顧客対応が可能になる」との持論のもと、毎年その年ごとに四字熟語のスローガンを掲げ、ユニークな発想による独自の組織/スタッフの育成を進めてきた。
甲斐社長は「凡事徹底。他社のカスタマーサービスに負けないという競争心を忘れず、コンテナ1本1本にきちんと真面目に対応していく努力を続けていく。平凡なことを毎日平凡な気持ちで実行することが、すなわち非凡なのである」とも強調する。
現在は、スタッフ全員が“顧客のために”という共通意識を持ち、一体となってカスタマーサービスの充実に注力し、日本市場での存在感を一層高めている。
そうした中、MSCジャパンは昨23年末、「エムエスシー日本合同会社」を立ち上げ、新たに生まれ変わった。ことしはコンテナ船社として海上コンテナ輸送を中核にしつつ、利用運送事業免許などを取得することで日本国内の内陸輸送にも対応していく構えだ。