EU税関事前申告制度「ICS2」の第3段階として、ことし6月3日から海運分野への適用が開始される。
これに伴い、定航船社団体の世界海運評議会(WSC)、フォワーダーの国際団体である国際貨物輸送業者協会連合会(FIATA)など貿易・輸送に関わる8団体はこのほど、改めて輸送に関わるすべての企業に対し、ICS2に備えるよう声明を発表した。
物流業界団体は「ICS2の要件が順守されない場合、欧州連合(EU)への輸出で遅延や混乱が生じ、ICS2の情報提出義務者に罰金などが科される可能性がある」と指摘したうえで、「ICS2がどのような影響を与えるかを理解するだけでなく、新たな要件の実装を認識することが不可欠である」と強調している。
ICS2は、2011年から開始されたEUの通称24時間ルール(ICS、輸入貨物の税関申告を貨物到着24時間前までに完了)を刷新した包括的な輸入審査プログラムで、税関保安プロセスを改善し、貿易の自由な流れを促進するもの。
タイムリーに精度の高い輸入貨物情報を効率的に入手するため、IT、税関リスク管理、貿易業務の観点から、既存の制度が全面的に見直された。
ICS2は、2021年3月1日から第1段階として航空速達と航空郵便に適用開始され、昨23年3月1日には第2段階として航空貨物に適用されるようになり、さらに6月3日から第3弾として、海運(河川輸送含む)と鉄道、トラックなどすべての輸送分野に拡大される。
ICS2は海上および内陸水路、道路、鉄道を使用してEUに輸入を行う者は、完全な事前略式申告(ENS)を通じて到着前にコマーシャルインボイスのほか、出荷の詳細な物品説明や6桁の統一システム(HS)コードが求められる。
適用対象はEU加盟国へ輸入される全貨物、およびEU内を通過する貨物で、最終仕向地がEU域外でも、EU域内を経由するすべての貨物にはICS2が必要となる。
ICS2は事前貨物情報のみならず、到着前にセキュリティと安全性のリスク評価のためのデータ提供を含む、より高度な情報申告が求められ、申告責任はキャリア(船社・航空会社など)が負うことになっている。そのため、キャリアへの正確な情報提供が荷主側にも求められる。