世界の主要港湾で港湾労働者によるストライキへの動きが活発化、混乱が広がっている。
ドイツ主要港では、労働組合Ver.di(統一サービス組合)と雇用者側のドイツ港湾中央協会(ZDS)との賃金交渉の決裂と協約終了に伴い、Hamburg/Bremerhaven/Bremen/Brake/Emdenの5港で6月17、18日にストライキが発生した。
データ・分析会社Russellグループによれば、主要5港での港湾ストにより、60億ドルの貿易損失が発生する可能性があると見込んでいる。ストライキの影響を受けた品目は、自動車が3億9900万ドル、小型輸送車両が1億2900万ドル、医薬品が7億1700万ドルとし、船積みの遅れ、物流の混乱、インフレ圧力が悪化する恐れがあるとしている。
さらにその後、Hamburgでは7月9日から48時間、Bremerhavenでは同日から24時間のストライキがそれぞれ実施された。
労働組合は「港湾労働者は生活費の上昇に対処するために賃金の引き上げが必要」と主張し、6月1日に港湾労働者の時給引き上げや手当の拡充などを盛り込んだ要望を使用者側に提出したが、労使交渉が決裂したため、ストライキ実施に至った形だ。
また、カナダでは、カナダ西岸のブリティッシュ・コロンビア州の荷役作業全般を統括・監督するフォアマンの労働組合ILWU Ship & Dock Foremen Local 514(ILWU Local 514)が7月6日、VancouverやPrince Rupertのコンテナターミナルなどを運営するDP World Canadaに対して7月8日から72時間のストライキを通告した。
これに対し、同州海事雇用者団体(BCMEA)は作業停止を阻止するためカナダ労使関係委員会(CIRB)に緊急介入を要請。BCMEAはCIRBがストライキを許可した場合、対抗措置として沿岸全体のロックアウトを行う方針を示していたが、CIRBは組合によるストライキ宣言を規約違反と判断し、無効を宣言したことで、港湾ストライキは回避された。
DP World Canadaは昨年12月、Vancouver港のCenterm Container Terminalにある同社の鉄道インターモーダルヤードで、一部の自動化を一方的に導入すると通告、組合側は退職手当と給付の改善など未解決の問題もあるとして労使紛争が続いている。
近年、港湾労働者によるストライキは頻繁に発生しており、甚大な経済的損害が発生している。直近では、米東岸港湾でも労使交渉(今週の焦点に関連記事)が中止され、ストライキの可能性が高まっており、サプライチェーン混乱拡大の懸念材料となっている。