TOPページ
カナダ貨物鉄道でストライキの可能性、鉄道会社と労組との協約交渉が難航
 (8/23) Hascoが日本総代理店を変更、9月から錦化株式会社に
 (8/23) 釜山港:24年1〜6月コンテナ取扱量は前年比5.6%増の1224万TEU

カナダ貨物鉄道でストライキの可能性、鉄道会社と労組との協約交渉が難航

 カナダ2大鉄道会社Canadian National鉄道(CN)/Canadian Pacific Kansas City鉄道(CPKC)と、カナダ鉄道の運転手や機関士等が所属する鉄道労働組合チームスターズ・カナダ鉄道会議(TCRC)との労使交渉が難航している。

 CN、CPKCは労使交渉が合意に達しない場合、22日未明からロックアウト(作業所閉鎖)を実施すると通告しており、今回、TCRCとの交渉が土壇場で物別れに終わったことから、ロックアウトを実施する計画だ。

 両鉄道会社は通常、隔年で交互に労働協約の交渉を行うため、同時にロックアウトが実施されるのは初めてとなる。一方のTCRCはCPKCに対し、72時間のストライキ通告を行い、22日未明に業務停止を開始するとの通告を出した。

 CN、CPKCとTCRCは、交渉において互いの不誠実さを非難。TCRCは、CNとCPKCが労働者の安全を危険にさらす恐れのある譲歩を求めていると主張しているが、CN、CPKCともこの主張を否定している。

 CNとCPKCの労働協約は23年末に失効し、現在も交渉が続いている。こうした状況の中、カナダ政府は19日、TCRCに対し、労使交渉妥結に向けてさらに努力し、貨物輸送の全面停止を避けるよう働きかけてはいるが、現段階で進展は乏しいもよう。

 CN、CPKCともに、国外ネットワークは引き続き運営するとしているが、Chicago/New Orleans/Minneapolis/Memphisなど、米国の主要な鉄道および港湾ハブに接続しており、TCRCのストライキは波及効果をもたらす可能性がある。

 ストライキまたはロックアウトが行われた場合、数十億ドルの経済的損害に加え、カナダ西岸港湾から先の内陸輸送に支障が出ることが懸念され、貨物の到着や引き取りの遅延などの影響が予想される。実際、米西岸北部のTacoma港では、カナダ鉄道ストの懸念から貨物が流入し、混雑が深刻化しており、サプライチェーンに深刻な影響が及ぶ可能性がある。

Last Updated : 2024/08/23