日本郵船(NYK)は、同社とIHI原動機の2社が研究開発を行っていたアンモニア燃料タグボート魁(写真)がこのほど、竣工したと発表した。
同船はNYKによると、世界初の商用利用を前提としたアンモニア燃料船となり、今後はNYK傘下の新日本海洋社が東京湾での曳船業務に投入、3ヵ月間わたり実証航海する。
魁は2021年10月にNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金(GI基金)事業の公募採択を受け、「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」の一環として開発されたもので、同名で15年に竣工し約8年稼働していたLNG燃料タグボートを前身としている。
23年10月にアンモニア燃料船へ改造工事のためNYKグループの京浜ドック追浜工場に入渠。この改造工事で主機関などをアンモニア燃料仕様のものに換装し、燃料アンモニアを使用した海上航行試験を行った上で、今回正式に竣工となったもの。
NYKでは、「LNG燃料船であった時と同様にアンモニア燃料船の先駆けとして活躍してほしいという願いから、本船は魁の名前を引き継いだ」としている。
