日本郵船(NYK)はこのほど、JX石油開発および関連会社Knutsen NYK Carbon Carriers (以下、KNCC)の3社で、KNCCの独自技術「LCO2−EP Cargo Tank」を活用した二酸化炭素(CO2)の液化・貯蔵プロセスの最適化検討について、実証実験を行ったと発表した。
NYKは、「今回実証したプロセスは原理上、従来の液化状態・方式に比べ液化効率が同等以上であり、最大2割程度のエネルギー削減が見込まれる。また、このプロセスに要する設備は従来の液化方式に比べてシンプルかつコンパクトで、モジュール化や浮体化も検討可能であることから、CCS(二酸化炭素回収・貯留)やCCUS(CO2回収・利用・貯留)バリューチェーンにおけるCO2液化設備のコストおよび敷地面積の削減にも貢献すると期待される」としている。
3社はことし5月、常温で液化CO2を貯蔵・輸送する常温昇圧(EP)方式の特徴を活用したCO2液化プロセスを考案していた。同プロセスの液化装置を今回の実証でKNCCのノルウェー実証施設「テストリグ」において追加して実施、パイプラインで集積・輸送された状態を再現したCO2を液化し、LCO2-EP Cargo Tankへ移送することに成功したという。