国土交通省はこのほど、令和6年度「国際物流の多元化・強靱化に向けた実証調査」の実証輸送への参加事業者について4社を選定したと発表した。
同実証輸送では、日本を発地または着地として、安定的なグローバル・サプライチェーン確保に向けて国際物流の多元化・強靱化を図る観点から、従来の輸送手段・ルートを代替または補完する輸送手段・ルートについて、その有効性を検証するもの。
昨年11月〜12月にかけて公募した結果、(1)東洋トランスの食品輸送における「トランスアフガニスタンルート」、(2)ジャパントラストの自動車部品輸送における「北米ミニランドブリッジルート」、(3)豊田通商の自動車部品輸送における「南シナ海迂回ルート」、(4)本田技研工業の自動車・バイク等の補修部品輸送における「中央回廊カスピ海ルート」の4件が選定された。
(1)はキルギスからパキスタン(Karachi)へトラック輸送したのち、Karachiから日本へ海上輸送を行う。
(2)は名古屋港からLos Angeles港まで海上輸送したのち、LA港からNew Yorkまで鉄道輸送し、NY港から蘭Rotterdam港まで海上輸送を行うもの。
(3)は名古屋港から青島港へ海上輸送、青島から鄭州までトラック輸送し、鄭州からタイまで鉄道輸送する。
(4)は名古屋港から中国へ海上輸送、中国からカスピ海を経て黒海Poti港へ鉄道と海上による複合輸送を行い、Poti港からベルギーAntwerp港へ海上輸送する。
この4案件については、各事業者と協力して昨年11月末からことし3月にかけて実証輸送を行っていき、輸送コスト/リードタイム/輸送品質/輸送の際の手続き/トレーサビリティ/BCPルートとしてのリスク評価などを検証し、結果をとりまとめ公表する予定としている。