商船三井(MOL)はこのほど、欧州および米国でケミカル関連を取り扱う大手タンクターミナル会社LBC Tank Terminals Group Holding Netherlands Cooperatief U.A.(LBC)の100%持分を取得することを決定し、3月7日に持分譲渡契約を締結したと発表した。
持分の取得価格は約17億1500万ドルとなる見込み(関連当局からの許認可取得を条件とする)。MOLはケミカルロジスティクス事業を成長が見込める事業領域として位置付けており、今回の買収はその一環として実施したもの。
LBCは、本社を蘭Rotterdamに置き、化学産業の集積地であるRotterdam、ベルギーAntwerpと、米国湾岸地域のHouston、Freeport、Baton Rougeで計7ターミナルを運営している。
同社は、ケミカル関連の取り扱いにおいてタンクターミナル事業の最大手であり、合計約300万m3の容量のタンクのほか、岸壁施設、パイプラインや鉄道・トラックへの積み出し施設を整備し、積み地港と揚げ地港における貯蔵サービスを提供している。
MOLグループはケミカルタンカー事業について、2019年にNordic Tankersを、24年にはFairfield Chemical Carriersの株式を取得して事業規模を拡大しており、世界最大級の船隊規模を持つ。
MOLは今回のLBC買収によって、タンクターミナルでの陸上保管機能を獲得し、海上輸送からタンクコンテナを利用した小口輸送までラインアップを拡大することで、多様な輸送ニーズに対応した「ケミカルトータルロジスティクスサービス」体制を構築するとしている。