全米小売業協会(NFR)と物流コンサルタント会社Hackett Associatesが7月9日に発表した「グローバル・ポート・トラッカー報告」によると、5月の米国小売業者向けの主要輸入港における輸入コンテナ量は、前年同月比6.4%減の195万TEUとなった。
前年同月比での前年割れは2023年9月以来で、単月水準としても昨24年5月(193万TEU)以来、最低水準となった。米国による関税導入・引き上げが影響した形だ。
NRFが発表した今後の見通しでは、6月が前年同月比3.7%減の206万TEUとなるものの、7月は同2.1%増の236万TEUを見込んでおり、相互関税の一時停止期間にあたる6月および7月にかけて輸入量が集中すると予想している。
NRFのJonathan Goldサプライチェーン・税関担当副会長は「関税を巡る情勢は依然として非常に流動的であり、小売業者は一時停止されているさまざまな関税が実際に発動する前に、ホリデーシーズンに向けて在庫を積み上げている」との見解を示した。
ただし、一時停止されている関税が8月に発動されれば、8月以降、輸入量が再び下落する可能性があると指摘する。NRFの予想では8月が前年同月比10.4%減の208万TEU、9月が同19.9%減の182万TEU、10月が同19.2%減の181万TEU、11月が同21.3%減の170万TEUとした。24年後半が米東海岸とメキシコ湾岸の港湾ストの懸念から輸入が好調だったことも影響し、単月水準・前年比両面で大幅な減少が予想されている。