商船三井(MOL)は、カナデビア、ヤンマーパワーソリューションと3社共同でLNG燃料船を使ったメタンスリップの削減試験を行い、削減率98%を達成したと、このほど発表した。
同実験はことし5月から開始、来2026年度まで装置の検証などを行ったうえで、27年度以降の実用化を目指すとしている。
LNGは石油や石炭と比較してCO2や窒素酸化物の排出量が少ないため、環境負荷が小さいエネルギー源として利用されている。海運でもLNG燃料船の普及が進められているが、LNG燃料中のメタンの一部が燃えずにそのまま大気中に排気される「メタンスリップ」が課題であった。
これを受け3社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けながら、触媒とエンジン改良によってメタンスリップを削減する技術の実用化に向け実証を行ったもの。
3社はエンジンの排気ガスを再循環させ、燃焼していないメタンスリップや窒素酸化物などを低減させる技術の開発を進め、日本と豪州間の洋上などでLNG燃料船Reimei(苓明)による実船試験を行った。この実証実験では、目標の70%を上回るメタンスリップの削減率98%を達成した。
今回の技術開発でMOLは、船舶のオペレーション手法の開発を担った。また、カナデビアがメタン酸化触媒の開発 ・触媒組成、製造方法の開発を研究し、ヤンマーパワーソリューションが触媒を使いこなすための技術を考案した。