Maersk:またEC関連企業を買収、100兆円規模の新市場へ積極参入めざす
本既報のように、コンテナ定期船業界の巨人Maerskが9月15日付けで、アパレル関連のeコマース(EC)物流を手掛けるポルトガルのHUUB(本社:Porto)を買収した。
HUUB社はポルトガルの新興企業で、ファッション業界のB2C物流センター向けにグローバルな販売プラットフォームを提供しながら、そのロジスティクス・サービスを請け負っている。Maerskは2019年からHUUBに資本参加して提携関係に入っていたが、今回、よりMaerskグループと一体化させようと買収にまで至ったようだ。
実は、MaerskによるEC物流企業の買収発表は、この2、3ヵ月で3回目である。今夏、米国のVisible Supply Chain Management(Visible SCM)を買収したのに次いで、さらにオランダのB2C Europe Holding BVとも買収契約を締結している。
Visible SCMはユタ州Salt Lake Cityを本拠とするB2Cロジスティクス企業で、米国内で1日あたり20万件、年間2億個の小包みを取り扱っている。
またB2C Europeは、欧州で越境小包配送に重点を置いたサービスを展開し、欧州各国に対応したマルチキャリア・プラットフォームを運営中だ。
「総合物流企業として多角的なサービスを展開する」ことを標榜するMaerskが、コンテナ船業/港湾ターミナル業/海陸空フォワーディング業などに次いで、現在、世界で急増中の越境EC物流をも、自社グループの範疇に取り込むべく、本腰を入れて有力なEC物流業者を傘下にかき集めている様子が窺える。
なんと言っても、いまや世界の市場規模が年間約100兆円とも言われるeコマース分野だけに、国際物流の王者として見逃すわけにはいかないのだろう。
