米西岸港の混乱問題:バイデン大統領がCTの24時間フル稼働を声明
米国のバイデン大統領は10月13日、米国経済を混乱に陥れている西岸主要港の混雑・物流停滞を解決するために、港湾関係者などとの間でコンテナターミナルの「休日なし・24時間フル稼働」に踏み切ることで合意したとの声明を発表した。
同大統領は、混乱のひどい米西岸主要港Los Angeles(LA)とLong Beach(LB)の港湾局長、トラック組合のチームスターズとAFL-CIO労働組合の最高幹部、全米商工会議所、その他のビジネスグループなどを招いたビデオ会議を開いて協議した結果、前述の声明に至ったもの。
政府当局者は、「90日間の全力疾走」と表現しており、全米トップクラスの輸入貨物を扱うWalmart、Target、Home Depot、Samsung、FedEx、UPSなど同会議に参加した企業からも、港湾で滞留する貨物をできる限り早く引き取るという約束を得たとしている。
米国の主要港を当面、“無休・24時間稼働”にする新しい計画について、バイデン大統領は「アメリカ人を苛立たせ、経済的混乱をもたらしたサプライチェーンの混乱を大きく改善するもの」と胸を張った。
ただ、大統領声明があった週とその翌週も、LA/LB両港の各CTすべてが24時間フル稼働となったわけではなく、実現したのは一部のCTにとどまっているとの新聞報道もあった。確かに、CTだけの問題ではなく、倉庫やトラック、列車のすべてが同じように動いていなければ、問題は解決しないだろう。
しかし一方で、LA/LB沖待ちの渋滞船が9月下旬には70隻ほどあったのが、大統領声明後には60隻まで減ったというから、効果がまったくなかったわけではない。動き出したことは確かだ。
米国産業界を混乱させ、物価も吊り上げていた米国主要港での物流停滞問題に、ついに大統領まで乗り出したわけだが、関係業界が一丸となって事態を改善に向かわせることを望みたい。