Maersk、MSCなど海運各社がロシア発着貨物の引き受けを一時停止
ウクライナへの侵攻に端を発した欧州各国によるロシアへの経済制裁を受けて、海運各社はロシア発着の貨物輸送を停止する措置を相次いで打ち出している。
Maerskは3月1日、ロシアを発着するすベての貨物について、ブッキングを一時停止すると発表した。
同社の事業がロシアへの制裁措置によって直接および間接的に影響を受けているため、ロシア発着の海上、航空、鉄道での新規予約を一時的に停止したもの。なお、食料品や医療関連など、人道的物資は引き受け可能としている。
現在、EUと英国の税関当局がロシアとの間でターミナルや港湾を通過するすべての貨物を検査し、制限対象となる製品を特定しているため、港湾混雑がさらに悪化する懸念があるとしている。
Maerskでは一時的な予約停止の影響を受けた顧客に対し、救済措置としてウクライナおよびロシア発着貨物について、目的地変更および予約キャンセルに関するチャージを無料とすることも3月2日発表している。
MSCも3月1日、バルト諸国、黒海、極東ロシアを含むすべてのロシア発着貨物の予約を一時的に停止すると発表、CMAも同様の発表を行っている。
また、Ocean Network Express(ONE)は2月28日、ロシアSt. Petersburg発着貨物のブッキングを即時停止したほか、ロシアNovorossiysk、ウクライナOdessa発着も同様に予約停止すると発表した。
このほか、ロシア船社FESCOの日本総代理店のトランスロシアエージェンシージャパンは3月2日、ドイツ/オランダ/ベルギーの各税関がロシアSt. Petersburg発着の輸出入貨物の出荷・引き受けを停止したことに伴い、シベリア鉄道・バルト海経由の欧州向けサービスFESCO Trans-Baltic Bridgeでの貨物引き受けを停止すると、顧客に通知した。
現在輸送中の貨物についてはFESCOと対応を協議するとしている。
