日本通運が3社共同で輸送実証、自動運転トラックと鉄道を組み合わせて
日本通運は、日本貨物鉄道(JR貨物)、自動運転開発のT2と共同で国内初となる自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせたモーダルコンビネーションの実証を開始した。第1弾として6月20〜24日の期間、雪印メグミルクの常温品を北海道〜関西間で輸送した。
今回の実証ではT2が開発したレベル2(ドライバーの監視のもとに行われる特定条件下での高機能自動運転)の自動運転トラックによる幹線輸送に取り組みつつ、今後T2が2027年から開始予定のレベル4(特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態)の自動運転トラックを用いたモーダルコンビネーションも視野に入れ、国内初の新たな輸送モデルが確立できるか検証を行っていくもの。
実証概要は、北海道の雪印メグミルク物流拠点から札幌貨物ターミナル駅まで日本通運のトラックが輸送を担い、札幌貨物ターミナル駅から東京隅田川駅までJR貨物の貨物列車で輸送、隅田川駅からT2の自動運転トラックによって大阪の百済貨物ターミナル駅まで輸送したのち、大阪の雪印メグミルク物流拠点まで日本通運のトラックで輸送した。
また、今回の実証において、JR貨物とT2が31フィートタイプの共用コンテナを共同開発し、同コンテナを用いることで、モーダルコンビネーションの際の貨物列車からトラックへの直接載せ替えが可能となった。
主な実証内容は、(1)隅田川駅における貨物列車から T2トラックへの共用コンテナの積み替え作業の検証、(2)北海道〜関西間における一貫オペレーションの検証、(3)自動運転トラック輸送区間を中心とした輸送品質の検証、となる。
日本通運は、「今回の取り組みで地球環境問題への対応や物流業界の労働環境改善、労働力不足の解消など、持続可能な物流の実現を目指していく」としている。