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船主協会;長澤新会長が日本の生活を支える海事産業の重要性を強調

 日本船主協会は6月27日、第78回通常総会を開催し、新会長に長澤仁志氏(日本郵船会長、写真)を選任した。

 総会後の記者会見で長澤新会長は、「海運業界として関心の高いイラン・イスラエルの紛争は、ホルムズ海峡封鎖という最悪のケースは避けられたが、まだ余談を許さない。さらにロシア・ウクライナの戦争も終わりが見えない。これに加えて米国新政権の一方的な通商政策への対応など、引き続き、日本の海運業界を取り巻く環境は厳しさを増している」としたうえで、
「そうしたなかで日本船主協会は、安定的かつ安全な海上輸送を通じて、国民の産業と生活を支えるとともに、世界経済の健全な発展成長に寄与していくという役割をしっかりと果たしていきたい」と述べた。

 長澤会長は日本の海運業界がとくに重要と考える4点について概要、次のように語った。

 まずは日本の外航海運の国際競争力の維持・強化で、そのために税制の維持が必要だ。今年度末に期限を迎える外航船舶の特別償却・買替特例制度の維持に向け取り組むとともに、2027年度末に期限を迎えるトン数標準税制、日本籍船の取得・保有に関わる改善について、関係省庁と連携して検討を進め、海事産業力の一層の向上に努めていく。

 船舶の安全確保については、地政学的リスクが高まるなか、協会としてアンテナを高くし、会員各位への情報発信と、関係機関との連携によって迅速で適切な対応をしていく。アデン湾における海賊対処の継続のほか、マラッカ海峡での安全航行の強化を関係省庁に協力を仰いで推進する。

 船舶の環境問題については、脱炭素化への対応を進めていく。国際海事機関の海洋環境保護委員会で採択されれば、全世界海域で統一ルールが適用されることとなる。海運業界としては、温室効果ガスの削減に向けて効果的かつ効率的に取り組んでいけるよう、国交省と連携し、国際会合で積極的な意見発信を行っていく。また、ゼロエミッション船の導入に向けて、支援策が事業者に対して過剰な要件とならないように注視していく。

 海事産業の人材確保も大きな課題だ。外航の日本人船員は約2000人であり、また、内航海運については乗組員の方々の高齢化が問題となっている。こうした現状を鑑み、日本海運を支える人材の確保と育成に向けて学生などの若い人たちに海運の仕事への理解と魅力を発信する活動をより強化していく。今後は国交省による船員養成機関の教育内容の充実に向けた改革への協力を行っていく。また、協会としても国民に向け海事産業の重要性と魅力をしっかりと伝えられるよう、広報活動を重点的に継続していく。

Last Updated : 2025/07/04
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