登録番号:T5010401014460
JapanPress, Ltd.
 TOP   SHIPPING GAZETTE   テレノート   経営改革   IATA出版物 
 >海運最新ニュース
 次の記事:(11/14) 中国も港湾使用料1年停止を発表
 前の記事:(11/14) 港湾CTでの脱炭素化港湾の認証で国交省が新たに大阪港、八戸港を認定

USTRが通商法301条措置の1年間停止を正式発表、自動車船入港料も延期へ

 米国通商代表部(USTR)は11月9日、米中首脳会談で合意された通商法第301条に基づく入港料の1年間の停止措置について、中国が所有・運航・建造する船舶に加え、外国製自動車運搬船も含まれることを公表した。

 USTRは、「一時停止期間中、附属書I、II、IIIに基づく海上輸送サービスに関する料金について、いかなる当事者も責任を負ったり、支払いを要求されたりすることはない」と明言した。

 付属書Iは中国企業が所有・運航する船舶、付属書IIは中国企業が建造する船舶、附属書IIIは外国企業が建造する自動車運搬船に関する料金を規定している。

 米国と中国は10月30日、互いの船舶に課していた入港料措置を1年間一時停止する方針で合意。米国は10月14日から中国関係船に課した入港料を、11月10日から来年同日まで1年間停止することなどを明らかにしたが、中国関連以外を含む全ての非米国建造船を対象とした自動車船の入港料も停止措置に含まれるかが明確になっていなかった。

 外国で建造された自動車運搬船の入港料については当初、中国建造船のみが対象とされていたが、6月の修正案で中国建造船に限らず、米国外で建造されたすべての自動車船が対象となるよう修正され、中国のほか日本や韓国で建造された船舶にも影響が及ぶことになった。

 自動車船の入港料金の算定基準も、自動車積載量(CEU)当たり150ドルから、6月の修正案で純トン数当たり14ドルに変更され、さらに10月にも、純トン数当たり14ドルから46ドルへと引き上げられた。これにより大型船舶の場合、1回の寄港につき100万ドルを超える見込みとなり、新たな貿易障壁となる可能性があった。

 日本郵船の曽我貴也社長は11月6日に行われた決算会見で、「USTRの入港料措置の自動車船事業への影響を70億円と見込み、業績予想に織り込んでいるが、自動車船の入港料が1年延期されれば70億円の費用は発生せず、業績は上方修正方向に動く」と述べ、通期見通しへのプラス効果に言及していた。

 今回、入港料措置が1年間延期することが決まり、国際海運業界の巨額な追加負担はいったん回避されたが、米中摩擦の収束が見えないなか、依然リスクが残る。

Last Updated : 2025/11/14
[AD]
SG-bigbanner
spcover