IATA(国際航空運送協会)が8月7日に発表した、2019年6月の航空貨物(国際・国内)の輸送実績は、FTK(有償トンキロ)が前年同月比4.8%減となり、8ヵ月連続で前年割れとなった。
IATAでは、ここ数ヵ月の緩やかな回復兆候は時期尚早で、生産能力の伸びは依然として抑制されており、貨物の負荷率は低下し続けている。世界的に貿易の伸びが鈍化しており、ビジネスの不確実性は、米中貿易紛争における新たな関税引き上げによって悪化している、と分析している。
IATAのAlexandre de Juniac事務総長兼CEOは、「米中貿易摩擦の緊張が深まるにつれて、世界貿易は苦しんでいる。その結果、航空貨物市場は縮小し続ける。貿易戦争に勝者はいない。貿易が開かれた国は繁栄を持続する。それこそ、私たちの政治指導者が注目しなければならないことだ」とコメントしている。
19年6月のFTKとAFTK(有効トンキロ)、FLF(ロードファクター)の伸び率、およびFLFは次のとおり(▲はマイナス)。
FTK AFTK FLF前年比 FLF
アフリカ______ 3.8% ___ 16.6% ___▲4.0% ___ 32.4%
アジア太平洋___ ▲5.4% ____1.8% ___▲4.0% ___ 52.2%
欧州_______ ▲3.6% ____2.8% ___▲3.3% ___ 49.8%
ラテンアメリカ__ ▲1.0% ____4.6% ___▲1.9% ___ 33.7%
中東_______ ▲7.0% ____2.7% ___▲4.6% ___ 44.0%
北米_______ ▲4.6% ____1.9% ___▲2.6% ___ 38.2%
市場総計_____ ▲4.8% ____2.6% ___▲3.5% ___ 45.4%